曳家の研究
色々な工法
丸太角材工法
丸太と角材で柱を縛り持ち上げる工法です。移動はコロと呼ばれる円柱状の木や鋼材を敷き、転がして移動を行います。
壁に穴を開け結束線で絞めて固定します。建物の傷みや補修箇所が多く、曳家工事自体が安く済んでも建築工事全体の費用は高額になっていました。最初から大規模な建物改修をする事を前提であれば費用は抑えられます。
現在ではほとんど見かける事もなくなりました。
見積り依頼時に改修内容を伝える事でこの工法を選択する事も可能です。
建物を傷めない様に丁寧な仕事を行う事を基本としますので事前に資料を頂けない場合は丸太工法の見積りは出せません。見積り依頼時に改修内容を伝える事でこの工法を選択する事も可能です。
スクエアフレーム工法
基礎の剛性を失わない様、また建物の傷みを少なくするため油圧機器の精度・性能を上げ改良された工法です。
材料を軽量化し施工効率も良くなり、狭い場所でも組付けが可能となりました。
基礎天端から土台下端に25mmクリアランスがあれば建物を据付可能です。基礎パッキンを設置すれば無駄な開口を作らずに済むため基礎の剛性を損ないません。
独自の油圧ポンプユニットにより施行能力が向上し同時に使用出来る油圧ジャッキ台数が増えました。
有筋の基礎であれば建物を基礎ごと移動させる事も可能になりました。
レール工法・SRM工法
資材が鉄骨・レールに変わり長いスパン(支持間)を飛ばす事も可能になり、柱を結束せず土台から持ち上げる様になりました。コロもレールに合う形に変わり結束をボルトで行う事で『丸太角材工法』から施行精度が著しく向上しました。
ただし据付時にレールを抜くための基礎の開口を数多く設けなければならず、基礎の主筋や配筋も途切れ途切れで剛性が弱くなります。
現在の耐震などで言われている安全基準を満たせないなど工法に難点があります。狭い場所では組付け・組払いが困難なため塀を解体するなど周囲構造物の解体から行う事もあります。
重量物移動
工場内の重量物などクレーンを使えない場所では曳家の技術で重量物移動を行います。動かす対象によって使用機材や方法を検討しますので決まった工法はありません。
機械のライン変更、機械の入替えなどが多いのですが、屋外でも石碑や像、SL機関車移動など見積り依頼もあります。
構造が判らないモノの移動は計画が立てられないため施工出来ません。
バルクアップ工法
嵩上げ工法の一つで従来曳家工法と違い盛土を行わず嵩上げと同時にレベルを合わせて『バルクアップ』材を充填します。余分な嵩上げまたは移動を減らして工期短縮と費用減が可能です。バルクアップ材は比重が軽く強度も有り、充填後に体積が増すため空隙残りがありません。
施工条件はベタ基礎で50cmまでの建物を推奨しており、50cm以上や布基礎でも施工可能であるが費用対効果は小さくなります。1mを超える嵩上げであれば従来工法と変わらない費用となります。
床下浸水など水害対策として狭い場所でも施工可能、地盤の10年補償にも対応しています。(審査あり)