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曳家の研究について

 曳家工事を長年務めさせて頂いてのですが、曳家工事について『坪いくら?○○㎡で〇m移動で見積りを』との問合せがあります。あまり馴染みのない工事ですので問合せするにも何を聞いてよいのか判らないのかと思います。金額を答えられないと曳家業者ではないのか?と疑問を持たれる事もあります。特殊な工事ですので雑誌に特集されたり解説本など説明されたものも有りません。
 そのためネット環境が整っておりサイトを閲覧できる環境であれば、事前に曳家工事がどのようなものかを理解して頂けるように製作しました。
 曳家工事について問合せ・見積り・工事を円滑に進められるよう、今後もより充実した内容になるよう追加更新します。

※近年相談の多い『水害対策・嵩上げ工事』のページを設けました。河川の氾濫で家を持ち上げるイメージが伝わればと思っております。

  

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木造建物について

 問合せで一番多いのが木造住宅の曳家工事で工事依頼内容や条件も様々有ります。組付け方法は柱縛り、土台上げ、基礎下組付とあり、柱縛りは床下空間が少ないと床上での組付けとなります。床下空間がどの程度あるのか事前に教えて頂けると積算に反映出来ます。

 土台組付け、柱組付けの曳家工事は土台下で納まる玄関サッシ、玄関タイル、浴室、トイレ、勝手口など補修箇所が多くなります。

 移動工事や嵩上げ工事以外にも柱の腐食を根継で治す、土台の入替え、柱の沈下修正など建物の一部分の施行もあり、柱一本からでも見積り可能です。

 鉄骨造より弱く溶接など補強が出来ないため傷みが出やすく、仕上げが聚楽や漆喰の場合は細心の注意が必要です。

 どれだけ傷みを少なくするかが曳家業社の技術の差となります。

 

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鉄骨造・RC造建物について

 鉄骨造は周囲に十分な空間があり、基礎ごと移動出来れば傷みは少なくて済みます。ただ費用が高くなるため簡易な建物であれば柱廻りの板金を撤去する事で基礎以外の躯体をそのまま移動可能です。柱脚が埋まっている場合は柱切断か、基礎の根巻を解体するかで見積り内容が大きく変わってきます。

 鉄骨造でも住宅に使用している場合は移動に際し1階部分はほぼ補修が必ようになります。

 RC造建物は基礎ごと移動しか出来ません。詳しい図面や資料、重量があるため地盤データなど必要です。移動先までの耐圧板をコンクリートで作成するなど土木工事が多くなります。建物重量に伴いジャッキも大型となります。

 RC造の見積りに関しては金額が大きいため概算見積りでは出せません。見積りには費用が発生しますのでご注意ください。

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​様々な技術応用

 移動工事や嵩上げ工事以外にも曳家技術で様々な事が出来ます。柱の腐食を根継で治す、土台の入替え、柱の沈下修正など建物の一部分を持ち上げる施行もあります。クレーンの使えない工場や屋内での重量物の移動も行います。

 建物を持上げられるので家の傾きを治すも行えます。土台上げ工法、鋼管杭圧入工法、耐圧板工法、薬液注入工法など有り、どれも施行可能です。

 小さな仕事はしないと思われがちですが、資料があれば柱一本からでも見積り可能です。

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文化財について

 文化財の曳家工事はどれだけ現在の状態を維持したまま施行が出来るかが重要になってきます。公共事業として工事になる事が多く、事前打ち合わせ~施行計画の段階でも提案や資料の準備など必要なため、文化財につきましては調査見積りは費用を頂いています。

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